日本の医療の未来を考える会

iryounomiraiの記事一覧 ( 3 )

第60回 新たなウイルス感染症の流行に備えて ECMOを含む重症管理を軸とする体制強化へ(NPO法人日本ECMOnet 竹田晋浩先生)

第60回 新たなウイルス感染症の流行に備えて ECMOを含む重症管理を軸とする体制強化へ(NPO法人日本ECMOnet 竹田晋浩先生)
COVID-19の重症感染者に対する治療法として、ECMOに注目が集まった。実際に、今回の重症者の救命に於けるECMOの功績は大きい。一方で、ECMOを適切に実施出来る提供者が限られている事が指摘されている。未知のウイルス感染症に対して、当初多くの医療機関で受け入れを拒否せざるを得なかった事は、最大の反省すべき点だろう...
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第59回 医療過誤の事件化を防ぐ対応策とは 心情を理解して正確な情報の提供を(井上清成先生)

第59回 医療過誤の事件化を防ぐ対応策とは 心情を理解して正確な情報の提供を(井上清成先生)
医療現場では患者や家族とのトラブルが避けられない時が有る。特に患者が亡くなった時は、如何に医師が手を尽くしても、家族から「何故助からなかったのか」と責められる事も珍しくない。難しい症例や特異な状況が在ったケースでは、医療体制に問題が在るのではないか、医師に重大な過失が在ったのではないか、とマスコミに大きく取り上げられ、...
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第58回 財務省が考える、給付と負担のギャップを是正する為の 医療費適正化の考え方と質向上との両立を含めた方向性(一松 旬氏)

第58回 財務省が考える、給付と負担のギャップを是正する為の 医療費適正化の考え方と質向上との両立を含めた方向性(一松 旬氏)
少子高齢化が進む日本の課題として、増大する社会保障費への対応の必要性が指摘され、財政健全化が議論される様になって久しいが、依然として解決の糸口は見えない。社会保障費の財源として消費税率も引き上げられたが、10%では足りないとも言われる。更に新型コロナの感染拡大によって医療費の支出が増え、医療の役割が改めて議論される等、...
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第57回 険診療の法制度 指導・監査について/令和4年度診療報酬改定について(葦沢龍人 教授)

第57回 険診療の法制度 指導・監査について/令和4年度診療報酬改定について(葦沢龍人 教授)
今日の医療現場では長期化する感染症の対応に日々追われている一方で、基礎疾患の受診を控える患者が増えている。それによって多くの医療機関の経営状況が悪化し、ポストコロナに向けて経営改善を図ることが求められている。来る令和4年度の診療報酬改定では、医師の働き方改革の推進や不妊治療の保険適用等、多数の項目で見直しが行われた。報...
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第56回 高まるサイバー攻撃の脅威 変容するIT環境と日本の現状(名和利男氏)

第56回 高まるサイバー攻撃の脅威 変容するIT環境と日本の現状(名和利男氏)
2021年9月、日本政府はサイバーセキュリティ対策の柱となる戦略を閣議決定し、国としてサイバー攻撃の脅威に取り組む意思を諸外国に示した。先ず掲げたのは経営層の意識改革だ。SNSの登場やリモートワークの推進等、社会は目まぐるしく変容したが、IT投資はセキュリティ対策が不充分のまま進んで行った。コンピュータウイルスにとって...
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第55回 医療界で女性が活躍出来る社会を目指して 多様性時代の医師の働き方を考える(野村恭子 教授)

第55回 医療界で女性が活躍出来る社会を目指して 多様性時代の医師の働き方を考える(野村恭子 教授)
世界的に見て極めて低水準とされる日本のジェンダーにおける格差を取り除き、時代の流れに足並みを揃えるべく、政府主導による男女共同参画が進められている。性別格差が根強く残る医療界において、とりわけ「女性管理職比率3割」の実現に向け、キャリア育成、就労継続の為の施策、関連法規や制度の整備、文化的価値観からの脱却等、乗り越える...
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第54回 世界初の胃癌・食道癌鑑別AI・AI医療機器の可能性と課題(多田智裕 先生)

第54回 世界初の胃癌・食道癌鑑別AI・AI医療機器の可能性と課題(多田智裕 先生)
21世紀は人工知能(AI)を使った「第4次産業革命」が始まったとも言われ、医療の分野でもこの数年で多くの研究開発がなされるようになった。2021年からはAI医療機器を社会実装する時代に入り、より質の高い医療が期待されるだけでなく、市場規模11兆円の成長産業として国も支援に乗り出している。11月24日に衆議院第1議員会館...
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第53回 COVID-19に対するDNAワクチン 開発とその意義について(森下竜一氏)

第53回 COVID-19に対するDNAワクチン 開発とその意義について(森下竜一氏)
新型コロナウイルスによるパンデミックは、いずれワクチン接種が進む事で収束していくものと考えられている。日本で接種が進んでいるのは、ファイザー社とモデルナ社のワクチンで、国産のワクチンは現在も開発の途上にある。国産ワクチンの開発は、なぜ遅れてしまったのだろうか。また、国産ワクチンを開発する意義はどこにあるのだろうか。7月...
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第52回 なぜ日本のワクチン開発は遅れたのか 国内外の研究開発動向から考える(荒木裕人氏)

荒木裕人
新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから1年半ほどが経過した。国内外では様々な研究が進み、診断法も、治療法も、予防法であるワクチンの開発も大きく進んできた。日本ではファイザー社とモデルナ社のワクチン接種が進んでいるが、国産のワクチンはまだ開発途上にある。なぜ国産ワクチンの開発は遅れてしまったのだろうか。6月23日に衆...
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第51回 国内の新型コロナウイルス感染症の 流行状況とサーベイランス(鈴木 基氏)

国立感染症研究所 感染症疫学センター センター長 鈴木 基氏
新型コロナウイルスの変異株が大きな問題になっている。日本では、昨年12月に最初の英国株が確認され、2月後半〜3月にかけて国内で急増、5月には90%以上が英国株となり、現在では全て英国株に置き換わっている。感染力が強く、重症化リスクも高い変異株が広がれば、当然、感染対策や医療もそれに合わせていく必要がある。国はどのように...
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